改めて、手紙LARPとは?(1)

● はじめに

本家サイトはスウェーデンのbrevlajvsportlen です。スウェーデンでは、手紙LARPは10年以上前から存在しており、様々なゲームが提供されています。 この記事の目的は、まだ体験したことのない人へ“キャラクターとなって手紙を書く楽しさ”を伝え、この驚くべきLARP形式へ飛び込んでもらうことを支援することです。

【手紙LARP】はその名の通り会話ではなく、文字によるLARPゲームです。これは、通常のLARPゲームより長期期間プレイすることを意味し、従来のLARP以上に“想像力がもたらす自由”を提供します。キャラクターは能力、外見、性別、年齢などによって制限されません。また、未成年、障害、精神疾患などのため参加することが困難な人へも提供することができます。寒く厳しい冬のような退屈な時間や日常生活に刺激や娯楽をもたらすこともできる素晴らしい遊び方です。

『郵便受けを開いて美しい手書きの手紙を見つける』という素晴らしい感覚は、より多くの人が体験する機会を持つべきではと考えています。

● 執筆RPGと手紙LARP

この2つはどちらも手紙を書くゲームのですので、微妙な差異です。執筆RPGは「完全1人用ゲームで、架空の相手(NPC:コントロールするプレイヤーがいないキャラクター)に1通だけ手紙を書く」、それに対して手紙LARPは「2〜4人向けゲームで、他の人が設定したキャラクターに対して、2〜4度の手紙のやり取りを行う」、こんな違いがあります。

● では、手紙LARPの続き

このLARPは、GMがお話のプロットを用意しているわけではありません。参加者自身がキャラクターとなり、どのような行動を取ったのかという決定権は参加者に委ねられています。いくつかの基本的なルールと設定はありますが、それ以外のことは参加者が望むのであれば好きなように作成し、物語を自由に動かせます。

創られていく物語に対して、“手紙を書く” ことで失敗を恐れずに参加しましょう。

●▶︎【LARP】とは何ですか?

LARPはライブ・アクション・ロールプレイングの略であり、観客のいない即興の演劇とも例えられます。LARPとしての概念は過去数十年間で大きく成長し、今日では現実的なリアリズムからホラー、ファンタジー、SF、スチームパンク、心理学や教育向けなどの様々なジャンルで多種多様なLARPゲームを見つけることができます。

最近では、キャラクターとして何日も生きる完全に没入型や、ブラックボックスが設定された小規模なシナリオまで、さまざまな形でLARPは提供されています。しかし、どれだけ形は変わろうとLARPとしての考え方は常に同じです。それは、“プレイヤーが自身のキャラクターをさらに生き生きとさせること”。そして、他のキャラクターと交流して一緒にストーリーを作成していきます。LARPのオーガナイザーは、責任者として事前にゲームのフレームワークを定義し、冒険に適した場所を見つけ出す。膨大な準備をする必要もゲームによっては必要となります。

この種のロールプレイは、人々のグループが一緒に座ってキャラクターを演じるテーブル・トップ・ロールプレイング(TTRP:日本ではTRPGという名称)と非常に密接に関連しています。

●▶︎【TTRP】とは何ですか?

卓上ゲームではもっともポピュラーな形式であり、プレイヤー達は様々な価値観を追求する架空のキャラクターを持ち、ストーリーのまとめてさらにプッシュするゲームマスター(GM)が必要となります。GMはキャラクターの周囲で何が起こっているかを伝え、プレイヤー達はキャラクターが何を言い、どんな行動をするかを伝えた後で順番に行動します。多くの場合、ルールに従って行動が成功したかを決めるためにサイコロを用いて判断します。

●▶︎では、【手紙LARP】とは何ですか?

【LARP】の別の形式であり、【TTRP】と良く似てはいます。しかし、【手紙LARP】では他のプレイヤーと直接会うことはなく、キャラクターとしての会話は書かれた書面を通してプレイされます。

羽ペンや万年筆、インク、シール、ワックス、タイプライターなど、キャラクターを表す魅力的な文房具を利用する機会が【手紙LARP】にはあります。ゲームとしてのジャンルは歴史を再現(16-19世紀の中〜上流階級)をするのは勿論のこと、ポストアポカリプス、ミュータント、SFなど全員がイメージを共有しやすく手紙が存在する設定で行われます。

どのジャンルの【手紙LARP】も共通する考え方は、主催者によって承認を受けられるキャラクターを作成し、“物語と設定を踏襲している”と感じさせる文章を書いて他のキャラクターとの文通を継続することです。執筆することで物語が始まり、書かれた内容によって事件や世界観が開発され、新たな物語が始まるチャンスが見えてきます。

しかし、参加者は【手紙LARP】内の出来事をすべて把握することができず、物事やイベントのきっかけに気づかないこともよくあります。あなたがゲームの中でどのような物語を経験するかは、手紙を交わしている相手によってきます。したがって【手紙LARP】としての一般的なアドバイスは、「冒険を始める前に、日常の文章に専念したいのか、陰謀の中心近くに立ちたいのか、日常と陰謀の中間にいるのかを明確にする」ことです。明確にすることで、ゲーム側はあなたが何を望んでいるか、実際にどうプレイしているか、全員が楽しくあそぶために、どう修正したいかを知ることが出来ます。 明確にすることは、ゲームの安全性を保つためにも重要なことです。

【手紙LARP】は【TTRP】や【LARP】とは異なり、プレイヤー達が同じ場所にいたり、お互いに会ったりする必要はありません。すべての連絡はキャラクターを通して手紙によって行われます。基本的には成否を明確にするルールはほとんどなく(ある場合は、キャラデータ管理)、プレイヤー自身の想像力(常識の範囲)に基づいています。他のキャラクターの生死に関わるような重大な影響を与えるナニかを計画している場合は、事前にゲーム側に連絡してください。

  •  自分の行動に他のキャラクターも参加する場合は、事前にプレイヤー同士で相談して同意を得ましょう。
  • 他のキャラクターに重大な影響を与える混乱を引き起こす場合、事前にゲーム側に連絡しましょう。
  • 仲間のプレイヤーに常識と敬意を払いましょう。
  • 想像力を最大限に掻き立てて、楽しみましょう。


【手紙LARP】の大きな目標は『どのようにプレイし、何をプレイしたいのか? ゲームを通して表現する』ことです。しかし、郵便サービスの状況によってはやり取りに時間がかかる可能性があり、人によって手紙を書くために取れる時間もマチマチです。通常のLARPよりも長い期間。数ヶ月から1年にわたるプロジェクトになることもあります。参加するために何らかの支援が必要な場合は、必ずゲーム側へ連絡してください。彼らは間違いなくそれを解決しようとします!