居眠りの街

ウトウトするかのように何かを創っていきたい。

LARPのマニフェストについて。

この話は年末年始まで遡る。
ぼんやりとLARP系のWebサイトを巡回していたときに、吸血鬼LARPと情報の共にブラジルで開催されていたLARPイベントのレポートを見かけました。

それと同時に、1冊の本がリリースされたというニュースがありました。
その書籍のタイトルは『The Jeitinho Brasileiro Manifesto』。タイトルは昔からある言い回しのようで「定められた手段や技術を使わずに、問題を即興的な策で解決するブラジルの人々の方法」みたいな意味合いを含んでいるそうです。そのタイトルから察するに「ブラジルの人々らしいLARPの遊び方マニフェスト」のようです。

マニフェストの概要

そのマニフェストの見出し概要と、書籍を発売したレーベルの人の概要紹介があったので一部を粗訳してみました。しかし、WorldofDarknessに浸っているだけあって、理解不能な比喩が多いっ!!(笑)

1.遊ぶことは触れること

接触型戦闘という意味ではなく、アフリカ人は文化的にお互いにキスをします(1回と言わず、2〜3回さえ)、私たちはお互いの手を取り、私たちは何か重要なことを言いたいときに私たちは自分の手を誰かの肩に置きます。もちろん、人以外のモノにもたくさんれます。もし、接触禁止と言われたら暴動を起こしていたでしょう。

2.プレイを追加する

ある時点で負けることは、各プレイヤーが自分のキャラクターにある物語ばかりに集中しすぎないことにあります。プレイを追加するということは勝者を見出すことです。「教育が解放されていないときには、抑圧された人の夢は抑圧者になることである」と教えられているので、勝者を見出す……相手とのコラボレーションでプレイを追加し続け、勝者と敗者のダイナミクスを残すゲームを提案するでしょう。

3.第3の川岸

ブラジルのLARPは、ノルディックLARPもSouthern Way(ニュー・イタリアンLARP)どちらもリスペクトしていますが、そのどちらにも寄らないLARP観を目指しています。
(確かに自己の深掘りや敗北の物語の次のステージへ向かっている感じが……)

4.ミニマムの追求

本書はDogma99から着想を得ていて、LARPのミニマム化・芸術性の追求に使命を感じています。
それは衣装やアクセサリーを極限まで減らすだけではなく、設定すら簡素にした即興劇LARP。空間も見立てルールを使い、ビデオカメラのレンズでは決して映らないモノを追求します。

5.LARPと人の多様性を認めること

LARPは言語であり、芸術であり、ときには仕事であると理解しています。しかし、思想であれ会場であれ見立てとのギャップは“出血”を伴います。その情報共有は重要です(他にも書いてありましたが、比喩表現が多く理解できませんでした…orz)

また、LARPの形態にも色々あることを知ることも重要です。ただ、他人の貢献を貪るのではなくLARPを遊ぶということは個人で完結しない・・・私は私だけのものではないことに興味を持つことも必要です。
(省略)
………
……

何書いてあるか読解できーーん(笑)
でも、何か見立てを駆使して遊んでいるようで、日本で遊ばれているLARPと似ているのかもしれまん。“触れ合うこと推奨で、禁止したら暴動を起こしていた”というくだりは、さすがお国柄と笑ってしまいました。

ちなみに、ブロガーさんの解説によるとブラジル初のLARPルールブックは吸血鬼LARP『Law of the Night』らしいとのこと。調べてみると、どうやらWorld of Darknessの世界観を基軸にした吸血鬼モノ……Mind’s Eye Theaterっぽいです。
さすが、商業で一番成功していると言われているLARPルールブック(笑

実は気になったことが・・・

さて、今回の記事を改めて粗訳したことで気になるものが出てきました。
それは、「Dogma99」です。

どうやら、これには「Dogma95」という元ネタがあるらしく、元々は映画が誕生して100周年の際にデンマークの映画監督たちが署名した映画制作のためのマニフェストとのこと。
このマニフェストは、過度な特殊効果やテクノロジーへの依存を拒否し、物語や役者の演技、そして主題といった映画本来の伝統的価値を高め直すことにあったようです。それは「純潔の誓い」とされ、以下の10ヶ条が設けられていました。

  • 撮影はすべてロケーション撮影によること。スタジオのセット撮影を禁じる。
  • 映像と関係のないところで作られた音(効果音など)をのせてはならない。
  • カメラは必ず手持ちによること。
  • 映画はカラーであること。照明効果は禁止。
  • 光学合成やフィルターを禁止する。
  • 表面的なアクションは許されない(殺人、武器の使用などは起きてはならない)。
  • 時間的、地理的な乖離は許されない(今、ここで起こっていることしか描いてはいけない。回想シーンなどの禁止である)。
  • ジャンル映画を禁止する(SF、ファンタジー、ホラー、アクション、ミステリーなど)。
  • 最終的なフォーマットは35mmフィルムであること。
  • 監督の名前はスタッフロールなどにクレジットしてはいけない。

2008年に公式サイトが閉鎖されたことでマニフェストが終了しましたが、LARPコミュニティがこれを模倣して“LARPを解放するためのプログラム”として1999年に「Dogma99」を発表しました(こちらも現在は公式サイトが閉鎖されている)。
これは、LARPが世の中に認知されててきた中で「LARP=ファンタジー」ではなく、ゲーム以外の「体験」と「芸術性」の可能性があると見せたかったような気がします。

  • キャラクターの過去や出来事など、歴史に書かれたことを再現するような行動をしてはいけない
  • メインプロットはない(イベントのストーリーは、各キャラクターのために書かれなければいけない
  • 情報を秘匿してはいけない(即興劇をするために、全員が等しい量の情報を持つ必要がある)
  • イベントが始まったら、GMは影響を与えられない
  • 暴力行為などを使用してはいけない
  • TRPGに触発されたLARPは受け入れられない
  • 体験や芸術性以外の目的を表すために使用してはならない
  • ゲームの仕組みを持ち込んではならない
  • 自分の作品に対してGMは必ず責任を負うこと

それ以外にも、自分が芸術家として「作品」であること認め、批判・誹謗中傷を受け止めること、LARPが不完全だった場合はプレイヤー全員に謝罪することを認めること。ゲームとしてでなく、芸術と体験の媒体開発をこれまでの人気やLARPの楽しさなどすべてを犠牲にして開発することを誓う文言なども含まれていたようです。

うーむ、これはヤリ過ぎな・・・。でも、発表された影響はかなりあったのではないかと思います。
例えば、チェンバーLARP(1つの室内で物語が完結するゲーム)や、360度没入体験ができるLARPの設計です。
もしかしたら、“キャラクターシートからの脱却”的な運動もこのマニフェストの影響があるかもしれませんね。

Dogma99の定義に準拠したらしいLARPゲームが、非商用ライセンスで無料公開されているのを見つけました。
印象的には、アメリカ人解釈のノルディックLARP(フリーフォーム)より迷走しそうです(笑)

13人の食卓

本作はDogma 99のマニフェストを完全に尊重した最初のLARPであり、一番単純な作品です。
各プレイヤーには、自分の名前とキャラクターの名前が記載されたリーフレット、さまざまなキャラクターの名前、年齢、親族関係を見つけることができる家系図が配布されます。
他にセッションに対して役立つ情報として、プレイヤー全員は家族で今日は全員揃って夕食をとることになりました。
それ以外はすべて即興です。

何度かの試遊を経て『バランスの取れたミニマム化を成功させた』と言わしめ、LARPインプロとして北ヨーロッパで確固たる地位を築いた7年後にイタリアにやってきました。

本作は、他のプレイヤーが出したアイディアを受け入れて発展させることを楽しむ作品です。名前、年齢、親族関係以外に制限はありません。あなたが口下手であっても、それは悪いことではありません。

さぁ、楽しんでください。


  • KristinHammeråsとSolveig Askim Malvikによって制作されたDogma99準拠のLARPゲーム
  • Andrea Castellaniがイタリア語版を編集
  • 思考(@Think_cod)により、日本語訳を編集・抜粋

家系図も見ましたが、本当に名前と年齢と親族関係以外記入されてない(笑)
も、もう少し何かあっても良いのではないでしょうか???
でも、魔王様が
「小難しい設定は、GMが付けなくてもプレイヤーが勝手に盛ってくれる」
と言っていたことがあったので、それはまさに真理なんだろうなーと思いつつ、今回はここまで。

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